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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら
「先輩は僕にホレていて、僕は先輩に夢中です」
「え、ええ…そうね」
「つまり両想いですから付き合うのは自然な流れだと思います。何か納得できない事があるなら、解決に向けて努力しますよ」
「…っ…納得できないわけじゃないわ。ただ付き合いだした実感がなかっただけ」
階段の途中で足止めされている私は、そっと手を引いてみる。
下の段から見上げている葉川くんは大人しく手を離した。
そして私と同じ段まで上ってきた彼は、今度は腰に手を回してくる。
「実感がないようでは…困りますね」
私の腰を自分のほうへ引き寄せたまま葉川くんは階段を上りだした。
歩きにくい。
自然と身体が彼に寄りかかる。そして一緒に上りきった時、彼は事務所のドアを開けた。