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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第20章 貴女が涙を流すなら
え…ちょっと
これは不味くない?
「このままは駄目でしょう、離れなさい…っ」
事務所の入り口。小声で葉川くんに注意して、急いで彼から離れる。
事務所の中にいたのは藤堂さんと穂花、バイトくんの三人で、みんな各々デスクに座っていた。
ドアのベルに反応して穂花がこちらを見たけれど…危機一髪、二人でくっついていたところは見られてなかったもよう。
「あ♪ おかえりなさい季里さん」
「…ただいま」
二人セットで帰ってきたのが嬉しかったのか、穂花の声はご機嫌だ。
そう…よね。穂花は気を遣って、先に事務所に戻ったのよね。
“ 軽くお礼を言っておこうか… ”
仕事に戻る前に、一言彼女に声をかけようと思った私は、葉川くんを置いて彼女の席に向かった。
「季里さん」
「……!?」