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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章 ~ この身勝手な小悪魔と

コンペを勝ち取ったのだ。
それは私が葉川くんと一緒に取り組んできたSA (サービスエリア) の競技設計。
そのコンペで最優秀案に選ばれた。
“ 本当に…? これ、夢じゃないわよね ”
夢が願望を映すというなら十分にありえる。
これまで私が任されてきたコンペで、最終選考に残ることはあれど優勝するのは初めてだったから。
最優秀案に選ばれたということは、実際に建設されるということだ。
そんなの、嬉しいに決まっている。
「おめでとうございます!」
「ありがとう穂花」
「よくやったな、立花!」
「はい」
葉川くんは外出していて事務所にいないが、穂花と藤堂さんが祝ってくれた。
普段から笑わない私だが、この時ばかりは自然な笑顔を見せていたと思う。

