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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章 ~ この身勝手な小悪魔と
またの名を小悪魔。
…本名は 葉川 瞬。
「…っ…てことで話は終わりだ。俺は昼メシに行ってくるからな」
葉川くんが事務所に戻ってきたのに合わせて、入れ違いに藤堂さんが出ていく。
ちょっとあからさまだけど
私と葉川くんの二人きり──という空間が、ここに "偶然" 出来上がったわけだ。
「…おかえりなさい。サンプルのチェックはできたの?」
「はい。どの照明が好ましいか、色味の違いを確認してきました。季里さんも後で写真を確認して下さい」
「了解」
普段通りの事務報告だ。
ああ…そうだった。これも報告しないと。
「それとね、SAコンペだけど。最優秀を勝ち取ったわ」
「…っ、最優秀? 僕たちの案が使われるということですか?」
「そうよ。さっき連絡がきたの」
「それは──」
私が足早にコンペの結果を彼に伝えると、葉川くんは鞄を置く手を止めてまさかと顔をほころばす。
「それは──…やりましたね」
ちゃんと喜んでる。
嬉しそう。