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すべての生き物に愛を求めて
第1章 私…
名家の一人娘として何不自由なく育てられた私には、両親にすら語れなかったことが一つだけある。




それは私がレズビアンであること。




一人娘として家名を背負わなければいけない重圧から、誰にも言えないまま時を過ごしてきた。
名家の令嬢としてそれなりに厳しく育てられ、帝王学の様なものも学んだが、他家へ嫁がないようにとの一種のマインドコントロールだったのかもしれない…と今は思う。



学生時代は名門のエスカレーター式女学校という拷問の中、恋をしたクラスメートとは体の関係を持った。
しかし、彼女はそう言う物語のような状況を楽しんでいただけで、卒業と同時に意中の男性と結婚した。
結局、女の自分では彼女を悦ばせる迄には至らなかったと知ったのもこの時。

だから、ふっ切れたと思っていたのは確か。



お父様の言う通りに大学を卒業後23歳で結婚したものの、所詮は政略結婚。相手は絵に描いたような強かな男だった。
そんなことは直ぐに分かっていたが、仕事の出来る人だった為、家の為にと思い自分なりに尽くそうと考えた。
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