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【マスクド彼女・序】
第1章 プロローグ
エデン……?
青年が僅かでも彼女の意図を探ることは、今は未だ叶わなかった。
一方にとって、突然として出会い、それを偶然と感じたとしても。
一方にとっては、忽然の姿を借りながら、それは正しく必然であるのだから。
一人は世俗に塗れ軽薄の顔をしてはいても、その真実の朴訥さを手放せずにいて。
一人は純粋さなど過去の最中に忘却し、ねじ曲がりこの世に絶望しようとして。
そんな二人であるが故に、哀しいまでに滑稽に――互いのボタンを掛け違おうとしているので、ある。