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【マスクド彼女・序】
第4章 二日目・三日目【微弱な引力の作用】
「神判が下り、結果――自分を指し示す駒が少なかった方が、この罰を受けることにします」
唯はゲームに望むに際して、その様に付け加えた。
すなわち、振り出した駒の――黒が多ければ、唯は罰としてその素顔を見せるのだということ?
正直はその様に理解しながら、内心では色めき立つ想いだった。唯の素顔への興味は、既に単なる好奇心の域を遥かに超越している。
しかし、ながら――
「それでは、ご用意を――私の号令を以って、同時に駒を振り出します」
「ちょっ、ちょっと待って!」
正直は覚えた違和感に従うと、ゲームを遂行せんと急く唯のペースにストップをかけた。そうして作った間の内に、考慮すること数秒間――。
その違和感の所在に、ようやく正直は気づくことができた。