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【マスクド彼女・序】
第3章 一日目【彼女との戒律(ルール)】
それは、確かに――何時かの場面。
良く晴れた日。まだ田舎にあった頃の――自分。
『探しているの。お願い……一緒に探して』
泣きながら、その少女は言った。
そして、こんな風にも。
『じゃないと、私……一人に、なっちゃうよ』
そんな言葉に、揺り動かされたものか。
正直はニコリと笑い、そして少女の頭を撫でて――
『平気だよ。お兄ちゃん、探してあげるから』
確か、そんなことを――言った。
その時の少女の顔は――よく思い出せない。