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残像
第9章 現の暮らし
「八尋は、どうしたら気持ちいい?」

「私は…いいよ」

八尋は微笑んで、サチを抱き締める。

「いっつも私ばっかりだもの…八尋にも気持ちよくなって欲しいの。八尋の、しゃぶったらいい?」

「いいよ、そんな事しても意味ないから…汚いし…」

拒んでもサチは引かなかった。

「汚いなんて言わないで。八尋、いっつも口でしてくれるじゃない。私だって一緒よ。恥ずかしいけど、して貰うと気持ちいいんだもの。だから、私がしたいの」

そう言うと、八尋と向かい合ったまま、布団の中に潜り込んで行く。

八尋の下帯を解くと、くったりと垂れた男の証があった。
市九郎に比べると可愛らしい大きさだ。
赤みを帯びた丸みが半分ほど覗いていて、首を竦めた亀のようだった。
その下にあるはずの、袋状のものは無い。

サチは先の丸みに舌を這わせた。

「あっ…」

八尋の身体がビクリと跳ね上がる。

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