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残像
第10章 おまけー再会ー
「八尋!猫ちゃん!久しぶりだねぇ!」

「息災にしておるようだな、重畳重畳。おや、この子が市九郎殿の忘れ形見か…目元がよう似ておるの」

「市サン…懐かしいね…」

鷺が、泣きそうな顔で笑う。

八尋は何か喋りたかったが、口を開くのも億劫なくらい疲れていた。

「八尋、どうしたの?」

「…どうしたもこうしたも…ウチからコレ背負ってきたんだ…途中でこの子が寝ちゃって、私、力仕事は向かないから…ちょっと、休ませて…」

言うなり畳に倒れこんだ。

八尋が背負っていた荷物をちょっと動かし、鷺がかぶりを振る。

「重た…何持ってきたんだよ⁉︎」

「あ、多分、お金、かしら…」

「金ぇ?何でまた。何か依頼?」

八尋は倒れたままくぐもった声で喋った。
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