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歪んだ鏡が割れる時
第2章 第二章
相手がたまたまユウだっただけで、それが意外とかわいい女の子だっただけで、この先こいつとどうなるかなんて考えてもいない。

「あっ、あっ」

その境遇にも興味はない。
誰かに同情する余裕なんかないんだ。

「あっあっ、あっ」

茜との約束守んなきゃ。
くそっ、やっぱ金だ。

「あぁ、アッアッアッ……」

「うぅっ、ユウ…」

「り、亮さん……」

汗がユウの胸元に落ちて横に流れた。
ぎゅっと閉じたその目尻から、涙が一滴耳の方に零れ落ちる。

それがいつもの合図だった。
後ろめたさに顔を背け、俺はユウの身体を借りて、更に激しく自分を扱く。そして一気に昇りつめる。

「ユウちゃん、ユウ、うぅっ、い、イク……ん、うぅっ……」

「あぁっ……」



扇風機の生温い風が、今の俺とユウには合ってる。1Kの狭くて汚いアパートも、薄汚れた今の俺そのもの。

ユウから身体を離し、吐き出した欲の欠片をティッシュに包んでゴミ箱に捨てた。

用済みになったユウのソコをそっと拭き取り、冷めてしらけた自分の汗をタオルで拭った。

俺はいつまで、こんな事を繰り返すんだ……。




シャワーを浴びて着替えてきたユウが、「亮さん、これ見て」と携帯の画面を俺に向ける。

「ん? 何これ」

「さっきコンビニから出た時撮ったの。ちょっと遠いけど、乗ってる人見える?」

信号待ちで停まってるその車には見覚えがあった。

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