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歪んだ鏡が割れる時
第2章 第二章
「り、亮さん、痛い、痛い……あっ、や……やめて、やめてっ!」

顔を歪め、激しく首を振っていた。はっとして動きを止めると、両手で顔を抑えて肩を震わせた。

「ご、ごめん」

「もう少し、優しくして……、私、痛くて……」

小さく消え入りそうな声を漏らした。

「ごめん、俺、つい興奮して」

「ううん、ごめんね、きっと私が、いつまで経っても慣れないから」

え……?

「……もしかして、いつも痛かった?」

顔を隠したまま、何度も頷くユウ。

「ご、ごめん」

俺って最低……。
今まで何やってたんだ。
これってホントの"ひとりヨガリ"ってやつじゃないか。

情けなかった。

「ごめんなさい。私の身体……その、こういう事に向いてないのかも」

すまなそうにユウが言う。

いや、ちがうだろ、俺がヘタなんだ。
今まで何も気付かず、ずっと我慢させていたなんて。自己満足も甚だしい。

熱が引いていった。

「ユウちゃん、痛くしてホントごめん。やり直してもいい?」

「でも」

「大丈夫、痛くないようにするから」

「……うん」

ユウは俺しか知らない、そう確信した。俺のせいで、セックスが痛いものだと思わせたままでは、あまりにも可哀想過ぎる。俺は今まで、ユウを何だと思ってたんだ。

俺はユウの中からモノを抜き取り、その身体をそっと抱きしめた。前髪を上げて額に唇を押し付けると、安心したように頬笑んだ。

「大丈夫?」

「うん」



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