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第3章 あなたを傷つけるようなことはしません

「どうしました？　春季……」
「違う……の。これじゃなく……て……」

浅野にしがみついて春季は訴えた。口に出すのが恥ずかしい。でもこのままでは身のうちからじりじり焼かれるような感覚で辛い。どういえば伝わるのか。

「ああ……、こっちですね……」

浅野はそう言うと春季の体をきつく抱きしめて、一気に春季を貫いた。

のどがひゅっと鳴り、春季の体が弓なりに反りかえる。
浅野は春季の白いのど元に吸いついた。
浅野を受け入れた春季は痛みを感じた。だが、じわじわと隘路を広げられ少しずつ痛みが薄れ始めた。
自らの蜜で擦れる度に水音が部屋に響く。

「春季……っ、締まる……」

眉をひそめ自分を受け入れる春季の姿に、浅野は自分を抑えきれず、激しく春季を求めてしまう。
その度に春季の中は浅野をきつく締め付けていた。

痛みが無くなり、ふと浅野を見上げると全身から雄の色気があふれ出している浅野の姿が目に入った。
すでに浅野の瞳は普段のそれではなくて、一度見かけた肉食獣のそれに変わっていた。
春季は自分の中から溢れる蜜の量の多さを感じ、さらに浅野の堪えている姿に興奮を覚えてしまう。

「気持ちいい……の……っ……」

普段の凛とした春季から想像がつかない、自らの欲望のままに乱れる春季の姿に浅野は堪らなく劣情を感じた。
激しさを増す浅野の抽送に、春季はもう自分を抑えられずあらぬ声で啼き続けた。
浅野は春季のくねる白い体に溺れ、煽られてしまう。
春季の体をきつく抱きしめ、舌を絡ませるたびにあがる淫らな水音と、二人の体の互いの汗で擦れる音が寝室に響き渡った。

「もう、限界です……春季……っ」
「私も……っ、もう……」

水音の音が大きくなり、二人の息遣いも荒くなった。
春季は自分の体の奥から激しい疼きを感じ、浅野を締め付けると、二人同時に果ててしまった。

荒い息を整えようとするのだが、なかなか体の熱も収まらない。
互いの呼吸を分け合うように二人は唇を重ねていた。