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お礼の時効
第5章 あなたは私が守ります、ずっと

春季は浅野のマンションから出るときに、今日夕食を食べに行く予定のレストランの店名を聞かされて困惑した。
そこはかつて付き合っていた男と、よく食事をしていた店だったからだ。
浅野は知っていてここにしたのだろうか、そんな疑念を抱いてしまう。
それはあり得ない事なのにと、自分に言い聞かせるようにして目を閉じた。
浅野が自分の過去の恋愛を知っていたとしても、それはもう過去の話で知られていても問題はない。
だけどなぜか心が騒ぐ、浅野にかかわってからというもの、どんどん自分の心の内が揺り動かされていて、春季は焦りを感じていた。
浅野に対して素っ気ない態度と言葉で接していても、決して自分を粗雑に扱わない。こんな素直でない自分のどこが良いのかわからない。自分について考えてしまう時間が増えた。
特に過去の自分と向き合う時が増えた、その度にあの時の心の痛みがぶり返してくる。じくじくとまた痛みを感じることが多くなった。
そして浅野とのセックスもそうだ、あの男とは違う。あの男とのセックスは春季にとって悦びを感じられない行為だった。
しかし、悦びを感じないのは自分が女として未熟なためで、それを知られたくないばかりに演技を続けていた。
だけと、浅野とのセックスはまるで自分が自分でなくなるような錯覚を覚え、気がつけば何度も達していた。
胸元に浅野が残した赤い痕を見る度に、体が火照る。
今夜はどうしよう、浅野と過ごせば浅野の思う壺だ。
それが分かっているのに、なぜか心が躍る自分もいる。
自分が来るまで待ち合わせの場所で待つと言ってくれた。
腕時計で時間を見ると、既に浅野はその場所に居るであろうことは想像がついた。
散々迷った末に、春季はその場所に急いで向かっていた。
そこはかつて付き合っていた男と、よく食事をしていた店だったからだ。
浅野は知っていてここにしたのだろうか、そんな疑念を抱いてしまう。
それはあり得ない事なのにと、自分に言い聞かせるようにして目を閉じた。
浅野が自分の過去の恋愛を知っていたとしても、それはもう過去の話で知られていても問題はない。
だけどなぜか心が騒ぐ、浅野にかかわってからというもの、どんどん自分の心の内が揺り動かされていて、春季は焦りを感じていた。
浅野に対して素っ気ない態度と言葉で接していても、決して自分を粗雑に扱わない。こんな素直でない自分のどこが良いのかわからない。自分について考えてしまう時間が増えた。
特に過去の自分と向き合う時が増えた、その度にあの時の心の痛みがぶり返してくる。じくじくとまた痛みを感じることが多くなった。
そして浅野とのセックスもそうだ、あの男とは違う。あの男とのセックスは春季にとって悦びを感じられない行為だった。
しかし、悦びを感じないのは自分が女として未熟なためで、それを知られたくないばかりに演技を続けていた。
だけと、浅野とのセックスはまるで自分が自分でなくなるような錯覚を覚え、気がつけば何度も達していた。
胸元に浅野が残した赤い痕を見る度に、体が火照る。
今夜はどうしよう、浅野と過ごせば浅野の思う壺だ。
それが分かっているのに、なぜか心が躍る自分もいる。
自分が来るまで待ち合わせの場所で待つと言ってくれた。
腕時計で時間を見ると、既に浅野はその場所に居るであろうことは想像がついた。
散々迷った末に、春季はその場所に急いで向かっていた。

