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お礼の時効
第7章 まだ春季の心にあの男がいる
「時任弁護士、資料出来ました。」

アシスタントをしている新米弁護士から資料を渡され、春季はそれを手にとり中身を確認した。
中身を見ると現在公判を控えている被告人の経歴が書かれている。それを目で追い、特に問題がないのでそのまま自分の机の中にしまいこんだ。

しばらくすると雇用主である弁護士が事務所に戻ったようで、その弁護士の部屋のドアをノックし中へ入った。

弁護士に、退職する旨伝えると何かあったのかと聞かれ春季は一瞬戸惑った。
あれをなんといえばこの人は納得するだろうか、春季はうまい言葉を探そうとするが見当たらない。
そこで答えた言葉がこれだった。

「浅野検事と期限付きの同居をすることになりました」と

その弁護士は驚きのあまり言葉を失っていた。その反応に春季は予想通りだと嘆息してしまう。

「お前……、いつの間に……」
「そういうことですので、現在抱えている案件を終えたら退職します」
「おい……、時任……」

詳しい話を聞かせろと背後でなにやら騒いでいたが、必要なことは伝えたので部屋を出た。

期限付き、それは和臣が自分にお礼をし終わる時までだ。
そのために春季は和臣のマンションにいて、そのために和臣に抱かれていると思っていた。それ以上の感情は何一つ無いと。
男と女が一緒に住んでいる以上、相手に心は動くこともある、体も同じようなものだ。
そう割り切れば必要以上に相手に期待しないし、傷つくこともない。

ならばあの時感じたものはいったいなんなのだろう――――

春季は昨夜の出来事を思い出した。

昨夜帰りの遅い和臣より先に眠っていると、抱きしめられて目が覚めた。
背中に感じる彼の体温にほっと安堵した。
うなじに掛かる和臣の呼気を感じ、思わず声を漏らしてしまった。
何度もそこに吸い付かれ、これ以上声を漏らさぬよう手の甲で口を抑えたが、彼の手が体を撫で上げた瞬間それを諦めた。

その後は激しかった。初めての夜を思い出してしまう。
まるで何かに追い立てられているように求められた。

和臣と目が合ったとき、彼は泣きそうな顔をしていた。
その顔がくしゃりと歪み、首筋に歯を立てられ痛みを感じた。

いくら懇願してもますます激しくなる和臣に、最後は身を任せるように意識をなくしていた。
気が付くとまだ抱かれている、その繰り返しで週末は終わった。

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