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第9章 私と結婚してください

「春季……、素敵な眺めです。抱き締めていいですか？」
「何も言わないで、そうして頂戴……」

　これが精一杯だった。

　和臣の手が肩を掴む。そのまま柔らかな唇が触れた。

「ん……」

　駄目だ、何も考えられない。和臣が触れるだけで体の奥から溶けていく。
　和臣の手が乳房に触れて、優しく包み込むように体を蕩けさせていく。

「春季……、こんなにもう固くなって－－－－
「やだ……言わないで……」

　乳首を摘ままれ、体の奥から何かが零れていく。和臣の熱いものにそっと触れると、声を漏らした。

「っは……、春季……、それは……」
「和臣も気持ちよくなって欲しいの、いや？」

　指で摩ると和臣の体が震えてきた。切なげな声が堪らなく淫らにさせる。段差があってそこを軽く握ったとたん、和臣は覆い被さってきた。

「はっ、春季。駄目です。これ以上は……」

　薄暗がりのなか、和臣は私の両脚を広げ、レースのショーツの紐を解こうとした。

「もう、我慢できません。春季のせいですからね……」

　そのまま解けば露わになる。そうなったらもう……。

　はらりとリボンが解けた。空気にさらされてひくんと蠢いている。自分の体なのに、思うようにはいかない場所。和臣じゃないとそこの扉は開かない。和臣の指がそこに触れてくちゅくちゅと音を立てていた。抜き差しされる度に体の感覚が鋭くなって、もう何も考えられず、ただ和臣の名を叫んでいた。からだの強ばりが強くなり、体の内側、そう和臣が触れている所の奥からじりじり炙られているような感覚が襲う。

「和臣……だめ……ね……お願い……」
「お返しですよ、春季……」

　和臣の生暖かい舌が一番敏感な場所をころころと転がし始めた。

「あん……っ、あぁ……」
「奥様は随分素直になりましたね。可愛いですよ、春季」