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第10章 あなたと一緒に幸せになりたいの

　汗だくになった春季の顔に張り付いた髪を梳きあげ、和臣は頬に手を添えた。春季の両目から涙が落ちる。春季の中の蠢きに果てそうになるのを何度も抑えていたが、そろそろ限界のようだ。和臣は春季を抱きしめて首に吸い付き、最奥に打ち付けるように腰を押し付けた。春季の体がその快楽で硬直し、ふるふる震えた直後ぐったりとなった。
　和臣も脱力し、暖かい湯に浸かっているかのような陶酔の中にいた。春季も同じようで、うっとりと目を細め、吐息を漏らしている。指で春季の唇をなぞると、その指を食んだ。
　どうやら唇に触れる指の感触でさえ、快楽に感じるようで春季の中はまた蠢き始めている。それに応えたいところだが、既に自分は全てを出し切ったあとで。
　一度萎えたものを引き出すと、それさえも春季には堪らないようで、吐息を漏らす。春季の体をきつく抱きしめると、春季が首に腕を絡めてきた。背中を摩ると耳元で甘い声で啼いている春季の声に、一度萎えたものが硬さを取り戻してきた。和臣は夕食を諦め、春季の飢えを満たそうと決めた。
　そのまま滾りを、春季の中に差し込むとすぐに春季は達してしまった。自分もさほど変わらず果てて、そのまま目を閉じた。