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幸せの時効
第6章 誘惑
「あ……」
「……隠さないで……」

 両手で乳房を隠し、相模の唇を避けるように顔を逸らした。相模の唇を首筋に感じ、生暖かい舌の動きに酔いそうになっていた。
 体中を唇と舌で愛撫され、体が炎のように揺らいでいた。
 相模が私の体を横向けにし、背中にキスをしながら、ラインをなぞる。腰から臀部に触れて、尻臀(しりたぶ)にその手で撫でれたときシーツの上で私は体をくねらせた。

 尻臀(しりたぶ)から腿の側面を撫で上げれて、脚を持ち上げられた。その手は腿の裏側を何度も逡巡し、ようやく私がしびれを切らした頃に濡れた場所に触れた。全体を触れるか触れないかの絶妙なタッチで、その指先が掠めてゆく。濡れている音が少しずつ響き始める。その間相模は私のうなじから背中まで丹念に唇で触れている。シーツにしがみつきながら、その愛撫に体を震わせながらおぼれていた。

「……感じてくれているのだね。嬉しいよ……」

 低い声で耳元で囁く、余りの快楽に堪えきれず爪を噛んでいたらしい。指を持ち上げて唇から離したとたん、相模は私の唇にむしゃぶりついてきた。

 知性的で理性の塊のような相模の野性的なキスは、興奮した。
 総てがドロドロに溶け落ちるようなその深い口づけに、私も舌を絡めて求めていた。相模の吐息と熱、舌を絡めあう音と、相模の私の陰部を撫でる水音に更に煽られる。相模の体に脚を巻き付けると、熱い塊にそこが触れた。すでに十分すぎるほど熱を帯びて、触れたところから溶けそうになった。腰を揺らして強請ると、相模はそれを私の中に少しずつ差し込んでいった。

「積極的なのはうれしいことだが、煽られてしまう……」
「ほしいの……、いいでしょう?」
「いっぱいあげる」

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