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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い
身長はぼくより少し低い。でも女のひとにしたら高めだろう。長い手足。ブルーのシャツに包まれた細い肩。
おばさんなんて、言ってほしくない。
この人は、…八朔さんは、おばさんなんかじゃない…って思った。
シャツの背中に浮き出たブラジャーのライン。背中のホックと肩のストラップ。さっき覗いた黄色のブラのイメージが脳裏に浮かぶ。
不意に、その背中に触れたくなった。
ぼくは、イケナイ、と本能的に思った。
同時に、今なら行っても大丈夫だ、と分かった。
そろそろと指先が伸びてく。
彼女の背中の…ブラのラインに。
あぁ…。
指先が…触れる。
右のストラップ。
ココ…。
彼女の…八朔さんの背中が、ピクって動く。
わずかにその身体が緊張するのが判る。
指先が…そのまま、ストラップの線をたどって、横のバンドに。ホックに触れて…折り返して…八朔さんの…脇の下に。
そしてぼくの手は、彼女の右の二の腕に挟まれた。柔らかく挟んだそのゆるい力に、でも逆らうことができなかった。
八朔:矢上…くん
彼女が瞬く間にメッセージをタイプした。