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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い
ヤバい、と思ったのは。
「…っ!」
と声が漏れてしまった。
あらぬ方向に勃起していた自分のモノが、ジーンズの皺目に捉えられて、小さく押しつぶされる痛みを感じたからだ。
彼女はすこし驚いたように身を固くする。
指を引いて、身を起こした。
すぐにスマホに向かう彼女。
八朔:大丈夫? 痛かった?
矢上:すみません。
八朔:挟まっちゃってた?
矢上:…はい
八朔:ゴメンね
そう言って彼女はぼくの肩から身を起こすと、
八朔:ほら、腰を上げて、位置を直してごらん。窓の外見ててあげるから
と告げて、こちらに背中を向けた。
ぼくは椅子から少しだけ腰を上げ、腹筋を引き締めてベルトの裏に隙間を作り、ジーンズの中に手を入れて、トランクスのなかで苦しい姿勢をとり続けていた我がムスコを楽な姿勢にしてあげた。
ふぅ…。
苦しかった。
ちんちんをヘソのほうに向け、服の乱れを直して、もう一度見椅子にゆったりと腰掛けた。
スマホを持ち、彼女に声をかけようとした。
そして何気なく、その背中を見た。