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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い
「八朔さん…」
ぼくは彼女の名を呼びながら、目の前の腰に抱き着いた。その細い腰を抱きしめて、彼女の下腹に顔を押し付けた。この人を感じさせたい。この人に気持ちよくなって欲しい。心の底からそう思った。
「矢上くん…」
彼女の声が聞こえる。
「脱ごうか…」
「…はい」
もう、迷わず答えられた。
ぼくはベッドから立ち上がる。
彼女と向き合って。
そして首をかしげながらすこしかがみ、彼女に自分から口づけをした。
あなたを、たくさん、愛したい。
口づけながら、彼女はブラウスのボタンをはずした。
ぼくはベルトのバックルをはずし、ジッパーを下ろして、ジーンズを脱ぎ去った。
ぼくたちは唇を離して、手早く自分の着ているものを脱いでしまう。
そしてベッドに倒れ込んだ。
くすくすと、八朔さんが笑っている。
その気持ち、すごくよくわかる。
ぼくもくすくす笑いを漏らしながら、裸の彼女を胸に抱いた。