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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
ヤバい女だな、というのが第一印象だった。
こうして目隠しをして、大人しく椅子に座らせても、その印象は変わらない。
ヤバい女だ。
「上着を脱ぎなさい」
「…はい」
「ブラウスのボタンを、上から順に、外しなさい」
「…」
「返事は?」
目隠しの顔を俯かせて、その女は首をちいさく、縦に振った。
「口で返事をしなさい」
「…はい」
もう、声がかすれていた。
いちばん上のボタンが外れていた上品な白いブラウスのボタンを、女は自分で外してゆく。
上から順に、ふたつ目、みっつ目。そこで指が止まるから、
「全部外すんだよ。言わなきゃわからないのか?」
すこし声に苛立ちを交えてそう言った。
「…」
下唇をかみしめて、女はボタンをはずしてゆく。
ブラウスのすき間から、紺色のブラジャーが見える。それは白いブラウスの上からでも透けて見えていた。一部の女は、こうして透けるのを承知で、薄い色のシャツの下に濃い色の下着をつける。そのくせ、タイトスカートのヒップにパンティーのラインが見えるのを嫌って、Tバックをはく。
大いなる矛盾だ。