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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
こんなことをしていては、いけない。
頭の中ではすっかり分かっていた。
いつか危ない目にあうかもしれないし、取り返しのつかないことになるかもしれない。
仕事だって失うかもしれないし、何より、あの温かな家庭を壊してしまうことになるかもしれない。
これきりにしなきゃ、これで最後にしなきゃ。
何度もそう思った。
でも、よくある話のように。
その日が来るまで、私はしっかりと、それを理解出来ていなかった。
その日が来るまで、それに痛みが伴うことを忘れていた。
私は世間知らずの愚かな女だった。