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小田桐菜津子と七つの情事
第7章 最後の情事
なっちゃんはぼくに背を向けると、ベッドの中で膝を抱えるように小さくなった。
「どうしたの? 大丈夫、なっちゃん?」
ぼくはその肩に手を置き、彼女に問うた。
どうしてあの時、あんな風に問い詰めてしまったのだろう。
どうしてもっと、彼女を穏やかに包み込めなかったのだろう。
「………濡れなくなっちゃったよ……」
彼女の痩せた背中が、そう呟いた。
濡れない?
え、そうなの?
ぼくはその時頭の回路がつながらなかった。
ご馳走をみればよだれが出るように。
ジェットコースターを乗れば冷や汗が出るように。
SEXをすれば、女性は濡れて、男性は勃起するものだと思って疑わなかった。
それなのに。
濡れない、とはどういうことだ?
「大丈夫…よ。ぼくが焦りすぎたんだよ。もう一度最初から、ゆっくりやれば大丈夫よ」
そう言ったぼくの言葉に、彼女は少し苛立ったように投げやりに言った。
「ダメなの。私、分かるの」