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小田桐菜津子と七つの情事
第3章 甘い舌の三人目


ドアを閉めると自動的に鍵がかかり、玄関の明かりが灯る。
そこまで続けていた世間話が途切れる。
彼女のプライベートをあまり詮索するのはよくないので、こちらの身の上話を少し。仕事のことや、趣味のこと。当たり障りのない話を続けての、ホテルインだった。
靴を脱いで部屋に上がろうとする人を背中から無言で抱きしめる。
片手で玄関先にある電灯のスイッチを切る。小さな玄関が、スッと薄暗くなる。
細い腰。さほどボリュームのない胸。サラリとした生地の涼しげな夏のワンピースの背中を、胸の中に引き寄せる。
「あ…」
驚く八朔さんが、小さな声を上げる。
「このまま…ココで…始めましょう」
先ほどの世間話とは声のトーンを変えて、彼女の耳元で囁く。

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