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「また おいで」
第8章 走り火
太ももに手がかかる。
(いやっ! やめてっ!!)
心の中の “わたし” が 叫ぶ。
今ならまだ引き返せる。
(それ以上は、もう。。。)
脚を閉じようと太ももに力が入る。
手にもギュっと力が入る。
(お願い、やめないで。 もっと・・・)
疼き始めた躰が願っている。
男の手を欲しがる “わたし” もいる。
ふたりの “わたし” が
せめぎあう。
わたしの口を覆っていた暖かい優しい指が
唇をなぞりはじめる。
上から下、下から上へといやらしく動く。
心が溶けていく。。。
躰の力が抜けていく。。。
唇の指の動きに合わせるかのように、
男がスカートをまくりながら
下からそっと脚を撫で上げてくる。
< ゾクゾクゾクッ >
(んっ ああっ)
それだけで身震いする。
もう... 周りの視線など頭の隅にもない。
あるのは上と下の指の感覚だけ。