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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第9章 寄り添う二人
今日は初デートの日
「そろそろお昼にしよっか」
「うん」
美和と、悠の。
「ねぇ、本当に良かったの?」
「何が?」
「今日出発なんでしょ、凪くん」
ああ、いいのと美和は笑う
「どうせ一年後に会えるしね」
「いや、一年は長いよ。休みに帰ってこないの? それか美和ちゃんが行くとか」
「凪がすこし離れてみようっていうから。
あーあ、なんであんな奴に嫉妬してたんだろ」
これ見よがしにため息をつく
「今まで私のことクソ真面目とか言ってたくせに、人から近すぎて見えてなかったんだ、とか言われたら突然留学とか。
真面目というか、単純? 馬鹿?」
「美和ちゃん……」
美和らしからぬ口の悪さに悠は苦笑した
「やっぱり行った方がいいんじゃない? きっと凪くんも待ってるよ。
ほら、よくあるじゃん、空港まで追っかけてって捕まえる、みたいな!」
「悠、マンガの読みすぎ」
そんなことしなくても大丈夫
どこにいても二人の心は
いつも、一緒だから−−−
『よくある恋愛モノ 〜見えない心〜』完