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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第2章 重荷
“そんな風に呼ばないで……!”
凪の声には“愛してる”の気持ちが多く含まれていて。
幸せだった
でも自分は−−−
“応えられないよ……!”
そんなに求められたら、苦しい
“ごめんなさい……!”
凪を凪が私を愛するほど愛してあげられていない
「美和……ック!」
「あああっ!」
美和はまた、罪悪感と共に絶頂に登りつめたのだった
「美和?」
快感の波が去り、凪は息を整えながらゆっくりと目を開けた
“また寝たのか”
力尽きたように眠る美和を見て愛しそうに目を細めると毛布を持ってきて彼女に掛ける
「……ッ」
美和の顔を覗き込んだ凪はびくりとたじろいだ
彼女の目から涙が一筋伝っていた
それが快感の残り香でないことを凪は直感的に感じ取ったのだ
「なんなんだよ……」
震える声で小さく呟き、手で顔を覆う
美和の気持ちが分からない
殆ど今までと変わらないのに、あんなに自分を求めてくるのに、ふとした時に心が遠ざかる
彼の心には言い知れない不安が広がっていた−−−