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第2章 リョウという男。

タクシーに揺られ数十分、ボトムが暮らす街、別名、人間牧場シャヒトゥマに到着した。
運転手に料金とチップを渡すと、運転手は逃げるようにUターンし、夜の街に消えていった。

ボトムの暮らす街は治安が悪い。
家畜同然の暮らしをさせられている人々の心は荒みきっているか、考える力を失っている。
どちらにせよミドル以上の地球人は喜んでここに近づくものはいない。

「さてと・・・。」

リョウは、ボトムが逃げ出さないように作られた、堅牢な門の守衛に軽く手を上げた。
そのガタイのいい男は深々と頭を下げ、門を開いた。

シャヒトゥマは暗く、夜ともなれば辺りは真っ暗になる。
しかし、リョウは慣れた様子で街を進んでいく。
しばらく歩くとこの街、唯一のバーがある。

ボロボロのドアを開くと安いアルコールの匂いがした。