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桜の季節が巡っても~追憶~
第51章 三年目のデート5(再編済)
どうにかやっと、喉の奥に流してやる。
心なしか、少ししょっぱい、涙の味がした。
テーブルに置かれたコップから未だ手を離せずにいると、彼の左手が静かに重なった。
縋るように見れば、いつもとなんら変わらない笑みを向けられた。
「そろそろ、ここから出ようか」
異論はなく、泉夏は秀王に従う。
このまま黙って座っているだけでは、どうかなってしまうのは時間の問題だった。
ならば、場所を変え。
歩きながら。
気分転換を図った方がいい。
レジで会計を済ませてくれる彼を大人しく待ち、店を出る。
この後は、美術館行く事にしていた。
彼に手を引かれ、そちらの方向へ歩を進めてゆく。
眼鏡をかけた怜悧なその横顔は、何も語らない。
わざと、そっとしてくれているのか。
泣き出しそうな自分の扱いに困り、対処法を思い巡らせているのか。
「ごめんなさい、先生。私…先生を困らせるつもりは少しもないの」
何れかは計り兼ねたが-とりあえず、謝罪せずにはいられなかった。
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