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桜の季節が巡っても~追憶~
第58章 ふたりとも好き3(再編済)
「だから『彼女』って言ったじゃん。有栖川先生の『彼女』だから、先生の事なんでも知ってて当たり前」
口籠っている泉夏の代わりを務めるごとく、実にストレートなそれを龍貴は発した。
左隣の大樹が、小さく息を呑んだのが伝わった。
麻衣もまた瞳孔を見開いていた。
『元大学の先生』と付き合っている事を、周囲に公にはしたくない-親友の意向を汲んで、それを頑《かたく》なに守ってきた。
親友が気を揉む理由が分からないわけでもなかったし、あえてその事実を吹聴する必要もないと思ったから。
一見、迂闊に口を滑らせかねない彼女だったが、親友との約束は絶対だった。
だから尚更、自分が守り通してきた事をあっさりと周りに漏らした彼に、麻衣は戸惑いを隠せない。
『大好きなお兄さん』の言う事だけど-ほんとに喋っちゃって大丈夫だったのだろうか。
麻衣は親友と隣りの彼を交互に窺う。
龍貴のひとことに、その場は波が引いたように静まり返る。
そして数秒後。
その沈黙がまるで嘘のように、今度は驚愕の声が瞬く間に広がった。
口籠っている泉夏の代わりを務めるごとく、実にストレートなそれを龍貴は発した。
左隣の大樹が、小さく息を呑んだのが伝わった。
麻衣もまた瞳孔を見開いていた。
『元大学の先生』と付き合っている事を、周囲に公にはしたくない-親友の意向を汲んで、それを頑《かたく》なに守ってきた。
親友が気を揉む理由が分からないわけでもなかったし、あえてその事実を吹聴する必要もないと思ったから。
一見、迂闊に口を滑らせかねない彼女だったが、親友との約束は絶対だった。
だから尚更、自分が守り通してきた事をあっさりと周りに漏らした彼に、麻衣は戸惑いを隠せない。
『大好きなお兄さん』の言う事だけど-ほんとに喋っちゃって大丈夫だったのだろうか。
麻衣は親友と隣りの彼を交互に窺う。
龍貴のひとことに、その場は波が引いたように静まり返る。
そして数秒後。
その沈黙がまるで嘘のように、今度は驚愕の声が瞬く間に広がった。

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