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桜の季節が巡っても~追憶~
第3章 先生には秘密3
頷き、龍貴は苦笑した。
「…自分で言ってるじゃん」
泉夏も、苦笑いするしかない。
スクリーンに入って来るお客さんは本当に、まばらだった。
距離を置いて、ぽつぽつと座っているだけ。
ふたりの左右も、前の列も、誰ひとりもいない。
予告が始まる直前の今でもこうなのだから、上映開始されてもきっと、この程度しか観客はいないのだろう。
出来るだけ、静かにゆっくり観たかった泉夏にとっては、願ったりだった。
麻衣とも観に来れたら良かったな-ぼんやり考えていて、
「…あ、そういや」
不意に、思い出す。
「麻衣が、またお兄さんに会いたいって言ってたよ」
「麻衣ちゃん?」
「そう。去年の秋の集まりの時、麻衣は不幸があったとかで、実家に帰ってたじゃん。だから暫く会ってないから、今度会いたいって」
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