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桜の季節が巡っても~追憶~
第28章 ふたりとも好き2
「見惚れるな」
「…自惚れ過ぎ」
気持ちを落ち着かせようと前髪を意味なく弄べば、龍貴が声を上げた。
「それ密かに気になってたけど、先生からのプレゼント?」
「それって…ああ、これ?」
髪の毛を遊んでいた右手を確認し、泉夏は頷く。
「…うん。誕生日のプレゼント。今年は一緒にいられないからって、この間帰って来た時に少し早いけど買ってくれたんだ」
緑色に光る指輪を愛おしそうに眺め、泉夏は左手で包み込んだ。
「誕生日のプレゼントなら、先生も大分奮発したんだろうな」
嬉しさが零れ落ちるような泉夏の笑顔を眺めつつ、龍貴は灰皿に灰を落とした。
「暗くてあんまりはっきり見えないのに、龍は分かるんだ?凄いね」
泉夏が素直に驚けば、龍貴は苦笑いした。
「いや、指輪の良し悪しなんて俺にはさっぱりだけどさ。先生の事だから、きっといいやつお前に贈ってやったんだろうなって想像」
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