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寝取られ妻
第8章 シーン8
 やはり、そこを突っ込んでくる。

 予想通りだ。セックスではなくても、性的な行為を他の男としている以上、その差は五十歩百歩、女性器に男根を挿入したかしないかで分ける意味はあまりない。

 すでに背徳の行為に身を染めている以上、セックスそのものをするのと何ら変わりない事をしたのだと思う。

 あたしは嫌がる素振りをしているけれど、本当は大輔の言う事を聞いても良いような気がしている。

 厭かそうでないかと言えば、積極的に自分から他の男に抱かれたいとは思わない。

 けれど、北上さんのペニスを見て、他の男性の性器に対する興味が湧いてきたのは事実だ。

「里菜、俺は君を責めているんじゃないんだ。今、きっと俺たちは壁の前にいる。その壁を乗り越える寸前の様な気がしてるんだ。」

「それ、乗り越えなければいけない壁なの?」

 大輔は、きっとあたしを説得する。

 そうしてあたしはいやいやながら、それに従う事になる。

 それは厭がる素振りをしていても、本当はあたしが望んでいる事なのだ。

 あたしは欺瞞に満ちている。
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