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第9章 シーン9

　北上さんは偉ぶったところもないし、言葉使いも丁寧だ。

　それが作られたものかどうかは別として、今のところ好意以外のものを感じない。

　それが余計にまずい。

　他人で無くなったならあたしは平気でいられるだろうか。

　大輔が好き。

　あたしのその気持ちは変わらない。

　でも本当に変わらないだろうか？

　泡にまみれたあたしの身体に北上さんの手が触れてくる。

　おぞおずと豊かに張っている胸のふくらみを手のひらでくるむようにして揉んできた。

　滑らかな泡のぬるぬるした感触がそこから甘くさざ波のように皮膚全体に広がっていく。

　泡のぬめぬめとしたぬめりとは違う潤いが生殖溝に溢れてきている。

　あたしの身体を抱き寄せるようにしている北上さんの下半身があたしの太腿に触れ、固く勃起している男根が擦りつけられている。

「触って下さい。」

　北上さんがあたしの耳元に唇を寄せて催促して来た。