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寝取られ妻
第6章 シーン6
 大輔との関係が壊れるようなことは私は望まないし避けたい。

 どこかでエスカレートする大輔にブレーキをかけないと、と考えるのだが、アナルはあたしも興味があるし、複雑な気持ちになる。

 今はアナルのことで緊張しているのだけれど、問題の本質はそこではない。

 問題は大輔がのめり込んでいる心の問題だ。

 単純なSM、SMが単純かどうかは別として、SMという性的嗜好にはまっているだけではなく、イメージプレイが常にあたしが他の人に犯されるという設定を好んで選ぶ。そこに問題があるような気がする。

 こころのどこかにあたしが他の人に犯されたらどうなるかを期待している節がある。

 本人は気付いていないけれど、それは嫉妬に身を焦がす三角関係から抜け出せないでいる状況に似ている。

 障害の多い恋ほど燃えるという言葉がある。

 釣った魚に餌はやらないというが、釣った魚だったあたしを釣る前に戻してそれを追い求める状況に自分の心をリセットしているのではないか、そんな気がする。

 それはそれであたしを恋するのだから良いように思えるのだが、本当にそうだろうか?

 嫉妬に身を焦がす状況はある意味マゾヒズムの極致のような気がする。

 そこにはまったなら、その嫉妬の感情を常に持つためにとめどもなく自分の大事な宝を他人に玩具にさせて、そこから抜け出せなくなったりはしないだろうか。
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