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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第11章 "遊"
土方の自室兼執務室ー
総司と瑠衣は土方呼ばれ部屋の中に居る……
相変わらずの書類の山…
此が無くなる日は来るのだろうか?
「総司、橘、今日の巡察は無しだ…
その代わり、夕方から俺に付き合って貰う」
突然のお付き宣言に瑠衣は首を傾げる??
総司の方は事前に話を聞いてる為無表情…
「島原に月詠という天神遊女が居る、其奴が使えるかどうか二人にも観察して欲しい」
"使える"
つまり新撰組にとって使えるかどうか二人に見定めろと言いたいらしい。
「「承知しました」」
了承し部屋を出る総司と瑠衣、総司の方は渋い顔をしてる。
「どうしました沖田先生?」
「いや…
私島原苦手なんですよねぇ…」
「…はぁ‥
自分だとて得意ではありませんよ」
互いの理由は大きく違えど、どちらも島原は苦手である。
「副長の命令ですし、行くしかありません」
「そうですよねぇ…」
自室に戻る道すがら二人して溜め息を盛大に吐いて肩を落としていた…。
島原ー
夕方というのに島原は活気づいている…
煌々たる煌びやかな灯り・着飾った遊女達・それに釣られやって来る男達…
土方、総司、瑠衣はそんな華やかな島原の中をどんどん先に進む。
この三人が揃えば必要以上に目立つ…
土方は女好きする切れ長の整った顔立ち…
総司と瑠衣は女と見間違いそうな程の綺麗な顔立ちをしている。
別段本人達は悪くは無いのだが、すれ違いざまに見る人々は三人に目を見張る。
「居心地悪いです…」
ポツリと総司は愚痴を零す…
「もう少しだから我慢しろっ」
そんな総司を土方が渋い顔をして宥めている…
「はぁ…」
瑠衣は人の目線など気にせずに呑気に歩く…
現代で朱雀として見られる目からすれば、こんなのは可愛い方なのだが……内心は前に昼間に来た時のように嫌気を差してはいる、今日は顔には出してはいないだけ……
「着いたぞ…」
土方は一件の店に入る、島原でも一・二を争う大きな店だ…
総司と瑠衣も土方に続く……
中に入るとすぐさま主人らしき人物が出迎えた。
「これは土方様何時もご贔屓に…
今日は月詠はんでしたなぁ」
「あぁ、頼む」
主人の先導で三人は目的の月詠に会う為お座敷に向かう・・・
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