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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第13章 "心"
「…沖田さん、早く戻りましょう!!」
瑠衣はこの禍々しい結界に焦りの色を隠せない。
「そんなに不味い状況ですか?」
不味い所の話じゃない、此では"鬼"が出放題、朱雀一族でさえ、その力を制限されてしまう。
勿論自分も…
もう少し方陣、術式を調べて見ないと分からないが、"時渡り"が使えない可能性がある。
(…一度外宮に行ってみるしか無いのか?)
当代様ならば何か知っているかも知れない、それに自分の力が何処まで制限されるのか?
全ては戻ってみないと分からない、そう自分に言い聞かせ、無理やり帰り支度を始めた・・・
『くっくっくっ…出来たぞ…出来た…』
何処かの神社の様な建物の一角…
京全体に出来た結界と同じ術式が描かれてる場所の中心に、男が一人座っている。
『これで…
やっと全てが我が手に…くくく…』
やらしく笑う口元。
『見てるがいい…くくく…あーははは…』
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