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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第4章 "探"


京の街、誰とも知らない屋根の上
そこに人ならざる者が2人…
朱雀と瑠璃である。


「この姿では目立ち過ぎるのぅ…」

朱雀は瞳を閉じた
そして体中が淡く光る…

髪の色が銀から茶黒に、淡い薄紅色の服が紺色の着流しに…
目を開けると茶黒な瞳が出て来た。


「こんなものか?」

自分の姿を見回す…
髪が鬱陶しい…
朱雀は首を左右に振ると、髪は肩の少し下位まで短くなった。


((何故男性に??))


瑠璃は首を傾げる

「男にはなれぬが、男装していた方が行動するのに都合が良い」

いつの間にか取り出した結紐で、手早く髪を少し高めの所で結っている。


((なる程、女子では行動に限界があると…))

瑠璃は少し笑う
姿を変えても顔立ちは美しい、男にも見えなくはないが中性に見えるかどうか…

「おかしいかの??
あぁ‥この話し方も変えねばならぬな‥」

コホンと咳払いを一つし、声のトーンを少し男性的に下げてみる。


「まっ、ものは試しと言うし、何時までも屋根の上…って訳にもいかないし…
そうだ瑠璃、あんたは姿消しができるの??」

と‥にっこり笑って言う、あまりにも変わり身が早い・・・

話し方の違いにしばし呆然としていた瑠璃は、はっとして朱雀に顔を向けた

((は…はいっ、出来ます…))


「じゃあ、これからは姿を消して付いて来て
あぁー名前考えなきゃ…朱雀って訳にいかないしね」

朱雀は星空を見ながら、しばし考える……

「橘・・・橘 瑠衣・・なんてどう??」

適当だが、瑠璃と優衣の文字を入れる所がまたらしい…
小首を傾げ、変かななぞ独り言を言い始める。


((いえ、素敵な名前です、では私は瑠衣様とお呼び致します))


そんな朱雀=瑠衣を見ながら笑いながら答える瑠璃

この先、この橘瑠衣という名を永遠と使うとは今の朱雀ですら思わないだろう…今は…


((これからどちらに??))


まだ、少し笑いが含まれている瑠璃に瑠衣は頬を膨らましながら言う。

「変なら変と言えば良いのに…
これから朱雀の外宮に行く」

立ち上がり、まだ先の長い大通りを眺めながら…その目は遥か先にある朱雀の外宮を見つめている
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