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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第15章 "白"
ただ、見えそうな場所に付けようとしたら、怒るつもりだったが‥流石に総司もそこはちゃんと考えているようだ…
「んっ…ちゅっ……」
「はぁぁ・・」
チクッとした小さな痛みと、時より胸の頂の尖りを掠める指…
それだけでも敏感に感じ取ってしまう自分の体‥
(どうして総司に触れられているだけで、こんなに感じているのだろう……)
あれほど何も思わず感じずの自分だった筈が、総司に触れられる度に体が敏感になってゆく感じがする‥いや、間違いなく敏感になっている
何故??
何度も自問した言葉…
その答えの片鱗を教えてくれたのは、意外にも華因だったりする・・・
ーーーーーー
「だからぁー
ぁたしは言ったじゃない、瑠衣は本当の快楽を知らないって…」
あれは嵐山から戻って暫くした頃、丁度非番で暇が出来、島原の華因の所に密かに来ていた。
「快楽って言われてもな…」
「あら?
体験したんじゃないの?
えーと‥沖田総司と…」
「ちょっ!?
・・・それは・・・」
あの時は‥確かに華因との意志疎通は切っていた筈なのに…
「この華因ちゃんが、瑠衣の変化を見逃すと思う??
それに‥ここ!!」
仁王立ちの華因が、自分の胸に指を一本押し付ける…
「???」
「自覚しているんでしょう?
あの男に恋してる事‥」
「・・・・・・・それは・・・・・・・」
自覚は‥している…
何時の間にか総司に惹かれ恋している事に…
でも自分は・・・
「何時かは居なくなるから、自分の心に蓋をする??
…出来ないでしょう?
愛しい恋しい気持ちに蓋をする事なんか出来ない、そんな事をすれば余計に恋しさは募るばかり
認めちゃいなさいよ瑠衣、沖田総司を好きだって…」
「華因‥自分は…」
総司を好きだという気持ちは捨てたくは無い、だがこのまま気持ちだけで進んでも、待っているのは別れだけ‥それも分かっている
自分は先の時代の人間‥いや神であって、沖田総司は過去の人物
決して相容れ無い、すれ違いもしない事に…
「そうやって考えて有耶無耶にするつもり?
じゃぁ恋した心はどうするの??
今更変えられる?」
「・・・
それは…出来ないと‥思う…」
分かってる、華因の言い分の方が正論だって…
だけど自分は怖がっている、初めての感情と己の本性に……
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