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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第4章 "探"
「・・・・・・・・・」
瑠衣は一部始終を見てため息をついた…
「どうだ…」
当代様が静に話しかける……
「・・・"鬼"が正気に返る時、僅かに歪みがありました」
確かに瑠璃の言う通り歴史は変わっている…
だが、こちらの歴史では沖田総司は労咳で死亡が事実であり正確な事
瑠璃の血を抜いたとしたら沖田総司の歴史が狂うのではないか??
(考えても仕方が無い、歪みは正すのが定め…)
そちらはやってみないと分からない
では、瑠璃を操ったモノは?
自分を引き込める程の力がある瑠璃、その瑠璃を自由に操るとなると、それ以上の実力…
嫌な考えが脳裏に浮かんでは消える…
自分は思っている以上に大変な事に巻き込まれた可能性がある…いや、巻き込まれた。
「ともかく、沖田総司の歪みを戻すのが、手始めでしょう」
さて…どうしたものか…
新選組は女人禁制、それにこの時期は京での隊士募集にて長州の間者が紛れ込んでしまったので密かに暗殺、その後京での隊士募集はしていないはず…
「我と会津の力でも借りぬか…
どちらの御墨付きで入隊となれば新撰組…近藤、土方でも口出しはできまいて…」
当代様は口の端を上げて此方を見ている
確か‥新撰組は朱雀一族と交流があった筈、それを利用せよという事か……
「確かに…最良の策ですね、後足がつかない身元も必要ですが……」
「そこは我に任せよ、会津には直ぐに使いを出す、数日中には隊士になれるであろう、後はそなた次第だかな…」
「心得ております。」
当代様の言葉に瑠衣もにこやかに笑った。
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