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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"


朱雀と呼ばれる自分と瑠衣と呼ばれる自分、やはり中身は変わらない…

いや、変わらなくなった。


「そうですね、変わらないです…
違う‥変わらなくなっていました…」

瑠衣の言葉の意味を探ろうと、総司の目が瑠衣をじっと見詰めている。


「多分、始めは別に考えていました、朱雀である私は人間には馴染め無いだろうと…
けど今は逆に離して考えられないんです…
この姿の時も、瑠衣の感情がそのまま出てしまう…」

「それは人に近くなったと?」

瑠衣はゆっくりと首を横に振る。


「いえ…
朱雀だからと押さえ付けていた本来あった感情が、瑠衣の経験を通して表に出た‥そう思います…
だから今の私は朱雀も瑠衣も一緒なんです、同じ感情を持って、同じ経験を持って…
もう分けては考えられない」

「それで良いのでは無いのですか?
どちらも同じ…
あなたは一人でしかないのだから…
だから私はどちらも好きなのですよ」

総司はそっと瑠衣を抱き締める、大切なものを包むように…


「……
そうですね、私は一人しかいないのですから…
総司の考えの方が合っていると思います」

「えぇ…
どちらも私がただ一人愛している女性です…」

総司の手が優しく髪を撫でている。


「私も…
総司だけを愛しています…」

気持ちに嘘は無い、総司が何よりも誰よりも大切な存在…
例えどんな結果が待ち受けようと、この気持ちは一生変わらない…


…総司が居なくなっても…

千年の時を過ごさなければならない自分、人を愛するという事は、相手に確実に置いて逝かれる事になる。

けれど、それを受け入れないと人を愛する事は出来ない…

その覚悟が出来たからこそ、総司を愛そうと…

居なくなっても一生……


「良いのですか?
瑠衣は・・・・・」

多分この間の話を思い出して言ってくれてるのだろう…

当代様は既に八百年の時を過ごしている……
そして自分も同じだと気づいた…
そう思う。
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