この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"

「…悪戯……」
「あーえぇ…
当代様というか私もですが…
その気になれば接吻だけで媚薬効果が出るんです、まぁ…
ついそれに当てられたというか…
当代様は完全に確信犯でしたね…」
「……」
「あんな事、あれただ一回のみですよ…
その後は総司の見ている様に、自分の力を玉に変えて相手に与える…
上級を倒した時に見ましたよね?」
「…えぇ…
朱雀様が赤い玉を持って現れて、赤い光が瑠衣の中に入っていった…」
「その通りです"力の玉"というんですが…
この間この符と石の材料を頂いた時に、一緒に入っていましたよね」
「あぁ…
ありましたね」
「あれで力を補給出来るんです、私は今、自然からは補給出来ないので、他から補給するしかありませんから…」
「補給出来ない…」
「えぇ、今は当代様の時代であって私の時代ではありません、だから私は自然の加護が受けられないんです…
だから仕方ないですけど、人間から力を少し頂いています…
といっても実行役は月詠ですが…」
「確か‥月詠さんが島原に居るのは…」
「えぇ、人間の男から力を少し…
床上手なんて触れ回ったのは、それが目的だから…
話した通り、今の所は私と月詠の生命線ですから」
この話は嫌いだ…
真実なんて総司には‥言えない、あの屋根の上で話したので終わりだと思っていたのに……
「でしたら私から力を補給すれば良いのではありませんか?」
「……
今は無理です、瑠璃の力の毒が抜けて直ぐの状態でそれをしてしまえば、元に戻ってしまう可能性があるんです…
瑠璃の努力を無駄にしたくない…
それに……」
「それに??」
「総司とはその‥そういう目的でそんな事したく‥無いです………」
少しの後ろめたさから、つい俯いてしまう…
「私は総司が大切なんです…
だから…
他とは一緒にしたくない………」
つい弱腰に小声になってしまう…
「そういうふうに言われると嬉しいですねぇ」
「…馬鹿……
兎に角…
高杉の方はなんだかの手は打ちます、やられっぱなしというのも性に合いませんし…
その後にいる奴も……」
「…それが心配なのですよ…
私では力になりませんか?」
総司のそんな言葉に目を丸くしてしまう…
「クスッ…
十分守って貰ってます…
心を……
でなければ、今頃本来の力で暴走しているか発狂してますよ…
多分………」

