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第21章 "術"

「それは…」

「総司が居るから…
ギリギリでも理性を保って耐えられるんです…
私は十分総司に守って貰っています」

「…瑠衣!!」

抱き締める力がより強くなる…

言葉に偽りは無い
腕が立つとか、力が強いとか、そんなのはその辺に幾らでもいる。

でも自分の心を守ってくれるのは、総司しかいない…
すんなり自分の心の中に入って来て、安らぎをくれる…

そんな人は他にはいない。


「私は瑠衣の役にたってるのですかね…
こんな私でも……」

「守るとは、目に見える事だけでは無い…
私はそう思います、総司は見えない部分をしっかり守ってくれています」

総司は痛いくらいにキツく瑠衣を抱き締めてる。


「どうしたんですか？
随分悲観的ですよ…
らしく無いです」

「愛してるから、心配で…
そして不安なのですよ…」

「不安‥ですか？」

何故？‥と分からないという顔をする。

「瑠衣は無自覚ですからね」

「無自覚！？」

いよいよ持って分からない？？


「最近の瑠衣は…
まぁ私のせいでも有るのでしょうが……
色気が有り過ぎなのですよ…」

「色気って…
そんなの多分総司にしかありません」

「はぁ…
だから無自覚と言っているのです…
私から見れば、高杉が瑠衣に執着する気持ちが何となく分かるのですよ…」

「？？？？？」

「奪っても壊しても手に入れたくなる…
そんな感情……
瑠衣、もう少しだけで良いですから、女性の自覚持って下さい」

「…女性‥ですか？？」

「この間の高杉の一件の後、土方さんですら理性を保つのに精一杯だったと思いますよ…
それだけ‥そういう時の瑠衣は、色気が強過ぎるのです」

あの時‥土方は瑠衣を見ないように顔を背け、向こうに放置してあった脇差しと鞘をわざわざ取りに行った……

多分、気を紛らわせたかった、総司はそう思っている。


「・・・・・・・」

自分は無自覚に何かしたのだろうか？？

総司がそう言うのならそうなのだろうか？？


「私だとてあの時、土方さんが居なかったら、何をしてたか分からないです…
それだけ、そんな時の瑠衣は男を狂わせる…」

「えーと…
あの…そのー
良く分かりません・・・」

「だから無自覚だって言って…はぁ…
言葉より行動の方が分かりますか…」

突然総司は顔を上げたと思うと、瑠衣に激しい接吻をして来た!!