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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第21章 "術"

なんとなく‥事の重大さに薄々は気づく……
自分は総司に其処まで迷惑を掛けているのだろうか(やはり考えの方向性は天然のままで…)??
「はぁ…
本当にそんな仕草は、私の前だけにして欲しいです‥」
総司は相変わらず抱き締めて髪を撫でている。
「極力気を付けます……」
総司に抱き締められてる為、その胸の中で小さく頷き了承する瑠衣だった・・・
「朝になる前に出ませんか?
確か今日は、夕方から夜の巡察でしたよね?」
「えぇ、そうですね…
今から出れば、朝になる前に屯所に着きますね」
「では…」
抱き締めている総司の腕から離れ、さっさと姿替えをする。
「荷物持って行きましょうか」
瑠衣に戻ると声も少し低くなる。
「私としては名残惜しいのですけどねぇ-」
総司は自らも着物を着ながら、姿替えした後の瑠衣を名残惜しそうに見ているのだが…
「私……
自分も名残惜しいですよ、ですけど何時までも此処に居る訳にもいきませんし、諦めて下さい」
片手で袋を持ち上げ(着替えは、姿替えの時にしっかり済ませてる…)にっこり笑う瑠衣。
「口調まで変わりますしねぇ-
本当に名残惜しいです‥」
「一応男ですから、自分と言った方がしっくり来るんですよ、それに‥既に馴れです」
総司はやっと着替え終わり瑠衣の方に歩く。
「馴れですか‥
そう言えば始めから自分と言ってましたよね?」
瑠衣も総司に合わせ、て洞窟を歩き始めた。
「そうですね、まぁ…
色々考えたんですが、自分と言う言葉が一番気に入った感じですか…
一応外宮で俺とか僕とか私とか試したんですよ実際…
で、違和感が無かったのが、自分という表現です」
「はぁ…
確かに瑠衣が俺とか僕とか使ったら、違和感がかなりありますねぇ」
「でしょう、自分も使って嫌な気分になりましたよ………」
思い出したのか、瑠衣は思いっ切り渋い顔をしてしている…
(とれだけ嫌だったのだか…)
瑠衣の顔を見て、相当嫌な事があったと簡単に察っする事は出来るが、話してはくれなそうだ。
「兎も角基本的に自分、まぁ目上の人には私ですか…
あぁ総司は別ですよ」
総司と二人きりの時は、私と表現する事も多い、二人限定ではあるが……
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