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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"

二人共刀を構え、慎重に相手を見ている、特に総司の構えは…
平青眼だ!!
「ふん‥こんな奴等に兄者がやられただと??」
兄者…
多分それは自分が暴走した時のあの忍…
やはり仲間が居たか・・・
『シュンッ!!‥シュンッ!!‥』
忍が持つ円月輪が二つ、此方に向かって投げられるっ!
「くっ!!」
高速回転をしながら、正確に総司と瑠衣に向かって円月輪は飛ぶ!!
「…ちっ…」
瑠衣は受け止めるより避ける方を選ぶ…
反射的に円月輪を避け、もう一度戻って来るのを待つ。
総司も避ける事を選択した様だ…
自分と同じくギリギリで避けている。
‥と、後から円月輪が戻って来る、総司も瑠衣も紙一重の状態で交わしててゆく・・・
ぐるっと一周し、忍の手に二つの円月輪が戻る。
「何時まで交わせるかな…」
はっきり言って、ほんの少し触れるだけでも、腕の一本くらい無くなりそうな重量・速さがある鋭利な刃物、交わし続けるのは無理に近い。
(前みたく飛び込むか?)
あの時も飛び込んだ、受け止められるのは勿論承知の上…
瑠衣は軽く"神足"を使い、忍に飛び込んで行く!!
「キ―――ンッ!!』
思った通りに、瑠衣の刀は忍に簡単に止められてしまう…
逆にもう一つの円月輪を、瑠衣の腹目掛けて繰り出される。
「ちっ…」
とっさに避け、更に刀を振るうが、だがやはり受け止められる。
「せめて二刀流だったらな」
忍はそう言い、空いている片方の円月輪を瑠衣に向けた。
「…二刀流か…」
あまり手の内は見せたくは無いが、仕方がなく総司の脇差しを左手で引き抜いた。
「別に出来ない事は無い」
瑠衣は刀を二本時間差で、忍に向かって正確に突きを繰り出す!
『キ――ン…キ――ン…』
止められるのは予想の内…
何せ相手の武器を封じるのが目的だから…
後は……
"タンッ!!"
示し合わせたかのように、後ろから足音一つ、総司が忍に向かって三段突きに入る!
「くそっ!!」
受け止めてた円月輪を留衣の刀ごと弾き、総司の三段突きの防御に入る。
弾かれた瑠衣は、そのまま総司の三段突きの狙いとは別方向である、脇腹を狙い、やはり高速の連突きを繰り出した!!
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