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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"


「では月詠さんは敵??」

瑠衣は激しく首を振る…

「いいえ、あくまでも"フリ"をして貰います…
一度慣れた薬は効果が激減しますし、相手は完全に月詠を手に入れたと思っているでしょう、それを狙います 」

「成る程…
つまり月詠さんは囮ですか」

「はい、クスクス‥
向こうもそう思っていますけど…
それに相手の目的は私と総司です」

「私と瑠衣!?」

総司から何故という顔がはっきり分かる。


「相手の男は淡崎星四郎と名乗っていた様ですが、多分偽名でしょう…
それに男はこの間の円月輪を持って私達と対峙した、あの忍だと私は思っています」

総司の目が更に丸くなる…

「何故こんな回りくどい方法を取るのかは分かりませんが、兎に角本人だと思って間違いないでしょう」

「確証は??」

「あの笑っている様で笑っていない目付き、それにあの忍と同じ気配がしました」

瑠衣も複雑で嫌そうな顔をしている。

「瑠衣が其処まで言うのであれば当たりでしょう
では、どうやって罠に掛けるつもりなのですか?」

「簡単ですよ、向こうの罠に乗ってやれば良いんです」

総司の耳元で少しだけ楽しそうにクスクス笑う…

「それで大丈夫なのですか?」

「月詠から随時情報は入ってきますから、それに合わせて此方が動けば良いんですよ、ただ問題は数ですかね…
一人なら良し、大人数なら少し面倒な事になります」

「不逞浪士として処分出来ない…」

「その点は心配無いです、男と一緒に高杉の姿も有りました、多分全員長州方かと…」

高杉の名を聞いて、総司はギュッと瑠衣を抱き締める……

「余計不安ですよ、高杉まで居るのならば安心出来ません」

何度高杉に瑠衣を好きにされた事やら…
だから、高杉絡みは総司の不安を煽る。

「多分高杉は出て来ない、あの男は高杉の部下の一人として潜り込んでいました」

目上にあたる高杉は今回は蚊帳の外だろう、ただ都合が良いから利用しているだけ、自分はそう思う。

「それと…
言いにくいし確証はまだ無いんですが、月詠に付いていた監察方が殺られた様です…
もしかしたら痕跡すら見付けられない可能性があります」

「それは…」

あの男ならば、それくらい簡単な事だろう。

「副長に報告が行かなくなるかと…」

少し不味い、土方に報告が無ければ不振に思い、山崎や島田を投入する可能性がある。
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