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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第22章 "罠"


「「・・・・・・・・」」


二人共に押し黙ってしまう…

暫く無言の時間が続く…


「総司、今直ぐどうこう動きがあるとは思えません、私達も時を見ましょう…」

「…そうですね…」

総司の腕の中で静かに目を瞑る瑠衣…
総司はそんな瑠衣の髪を静かに撫でている。


「大丈夫ですよ…
上手くいきますから…」

小さく一言総司に言う…

「えぇ、瑠衣を信じています」

総司も小さく瑠衣に返す…

そんな総司に安心し、眠りに入っていく瑠衣…
総司も、そっと瑠衣を布団に寝かせ、自分も眠りに着いた…









「月詠、薬だ…」

遊郭の一室、淡崎は口移しで月詠に薬を飲ませている。

「んっ‥んっ‥淡崎はんもっと‥」

淡崎にすがりつき、更に薬を求める月詠…

「月詠、俺が言った奴等を集めたか??」

「へぇ、‥文出しましたぇ、今晩には来てくれるさかい…早く…」

淡崎は満足し、月詠に更に薬を流し込む…

「あぁ‥んっ‥はぁん…」

淡崎に落とされてから、既に十日は経とうとしていた…


薬は殆どが体内で直ぐに中和されるが、バレない様に演技は続けている。

淡崎も自分が薬漬けだと信じているようだ…

この間に、佐幕派倒幕派関係無く四~五人の武士を指名された。

まぁ自分にはあまり影響の無い人間なので、敢えて従っている。


「はぁん…体中が熱いどすぅ」

「あぁ、分かっているさ」

淡崎は月詠を押し倒し激しく貪り喰う…


(この男の力は要らない…)


瑠衣とも相談し、この男から力を吸収するのは危険と判断した。


「あぁぁぁぁぁぁ!!」

軽い快感を、ワザと大きな快感と思わせる仕草をする‥面倒だけど…


「ふふ…良いか?」

尚も責める淡崎、自分に自信が有るのかニヤリと笑い月詠を弄ぶ…

「あぁぁ…良い…もっと‥あぁぁんっ…」

腹は立つが、相手の思い通りの言葉を言ってやる…


(胸糞悪い…)


月詠ぶちまけの本音である…

力の吸収も出来ない無駄な行為、ただ目の前の男を罠に掛ける為だけが目的、瑠衣が此奴を殺したいと言う、だから協力する。


一通り事が終わり、淡崎は解毒剤を薄めた物を月詠に飲ませる‥この一連の行為が十日続いている訳である。


「はぁ‥はぁ‥はぁ…」

余韻に息を乱している月詠を余所に、淡崎はさっさと立ち上がり身支度を整えた…
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