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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第31章 "壊"
「くくく…
予定より早いが、見事に雷雲が集まっている…
このまま落ちろ…
全てを破壊しろ!!」
宋永輪の前には、まだ六方星が輝いている。
術はまだ発動したままだ。
「もっと女を集めよ…
生け贄は多いに越した事は無い」
楽しそうに目を細め、法陣の中央の女の心の蔵に刀を突き立てる!
「くくく…
もっとだ…もっと力を…くくく………」
瑠衣は何時ものように、天井裏から自室に入った。
「・・・・・・・・・・」
早急に、宋永輪の居場所を見付けなければならない。
屯所までの道筋で、雷を確認していたが、今はまだ京の外側を中心に雷が落ちている…
が、いずれ街中にも来るだろう。
雷は物を破壊するばかりでは、無く火も起こす。
街中に落ちれば大火災も…
長州過激派の放火と規模が違う。
(本当に大事に巻き込まれたな……)
とりあえず刀を置き、壁に寄り掛かって座ってみる‥気休めだが。
(大体の場所は把握している、けど強固な結界に守られている筈…
どれだけ早く見付けられるか……)
雷の音が此処まで響いている。
宋永輪を倒さないと、この雷は収まらないだろう。
詰めは近いのに、こんな所で足止めとは……
瑠衣は唇を噛み締め、何も出来なく、ただ雷の音を聞いていた・・・・・
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