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木之花ノ夜想曲~夢語り~
第31章 "壊"
(何だか現代で見た怪獣??
決戦だかってのを思い出た・・・)
つまらない事を思い出して、渋い顔をしている瑠衣。
兎に角、勝たなければ意味が無い。
火の龍は、段々と黒い龍を飲み込み焼き尽くしていく、黒い龍は何をしても、火の龍を離す事が出来ない。
当代様も龍を操りながら、経過を見ている。
少しずつ焼け消えていく黒い龍、最後の抵抗のように此方に水流を吐く!!
しかし、瑠衣と当代様には全く効かない。
「早よう消えて無くなれ…」
尾から体、そして顔と炎で焼け消えてゆく…
完全に黒い龍が消えるには、いい時間が経過していた。
「全く面倒だ…」
完全に消えた事を確認して、当代様は漸く術を解いた。
火の龍も、薄くなり消えてゆく。
「最後の悪あがき‥ですか…
はぁ……」
当代様は黒い術石に向かい、石を破壊する。
『パーーー――――――ン』
此で全ての術石を破壊した、後は何が出て来るのか………
「ん!?」
当代様が空を見上げる、それにつられて瑠衣も…
六方星は薄くなり消えていった…
だが、黒雲が京を囲んでいく。
「…!!
まさか…!!」
黒雲から、雷が京のあちこちに落ちる!!
「此が目的だったのか…
面倒な奴よ……」
雨も降らず雷だけが次々と落ち、このままでは京全体に被害が及ぶ。
「結界陣は此を隠す為……」
何故、宋永輪が雷を扱うと知った時点で可能性に気づかなかった!?
結界陣は雷を呼び寄せる媒体、本命は此方だ!!
京の人間に復讐…
こういう事だったのか。
「今直ぐどうする事も出来まい、一旦引くぞ!!」
「あ…
はいっ!」
瑠衣と当代様は、雷を睨みながも引く決断をした。
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